人情映画として超良作!! 今見るなら「あまろっく」はオススメ!! 浜村淳先生も出演w



あまろっく

監督/中村和宏
「女子高生探偵あいちゃん」で初監督とのことだが、自分は未見
ドラマの経験があるとはいえ、映画監督として、脚本も担当していることからも、これからもっといい作品を作ってくれそうな予感

出演/
江口のりこ
中条あやみ
笑福亭鶴瓶

松尾諭(若い頃の竜太郎)
中村ゆり(母親/故人)

佐川満男/工場のベテラン職人

中村大樹

浜村淳
後野夏陽

高畑淳子(特別出演)

まず、2024年の公開作品のなかでもかなりの良作映画
作品的には 非常に 小ぶりで PRも弱いためこの映画の存在を 知ってる人は少ないかもしれないが
2024年の人情映画の傑作の一つ

予告編の段階では 大企業をリストラされた主人公/優子(江口のりこ)が 実家に帰ってきたら、年配の父親が20歳の美女と結婚するというドタバタ劇が中心の映画と思わせていたが、 映画の中身は家族のあり方とは? 家族とは一体何なのか?
そして大人になって初めて知る 父親の本当の姿や愛の深さを再認識するという、じわりと胸の中が熱くなる 人情 映画 となっている

物語公式サイトより
巨大な閘門“尼ロック”によって水害から守られている街・兵庫県尼崎市。
この街で生まれた近松優子は、「人生に起こることはなんでも楽しまな」が口グセの能天気な父と、いつも優しい母のもとで育った。
町工場を営むもご近所さんと話し込んでばかりで働いている気配すらない父のようにはなりたくない、と優子は幼少期から勉強でも何でも全力で励み、大学卒業後は東京の大手企業で働いていた。
しかしある日、理不尽なリストラで失業し、39歳・独身にして優子は再び尼崎に戻ってくる。

することもなくニートのような毎日を過ごし、幼なじみが開いている駅前のおでん屋台でほろ酔いの日々。
そんなある日、父が突然、再婚すると言い出し、20歳の早希を連れてきた!
役所で働く早希は、孤独な幼少期を過ごし、誰よりも“家族だんらん”を夢見ているという。

突然あらわれた自分よりずっと年下の“母”の登場に戸惑う優子は、
父と早希との共同生活を受け入れることができず、三人の日々は噛み合わない。
さらに早希はいつまでも独身の優子をみかねて、見合い話まで持ってくる。
自分の人生のペースを乱された優子と、彼女と家族になりたい早希の想いはすれ違い続け、一家は衝突と騒動の連続だった。
しかし、ある悲劇が近松家を襲い、優子はこれまでの人生を振り返り、家族の“本当の姿”に気づいていく。

神戸の尼崎が舞台ということもあって 何度も 立ち寄ったこともあるし 駅前に 降り立って歩いたこともあるので ロケ地 一つ一つがどこか ノスタルジック でもあり デジャブ もあるのだが
その尼崎を舞台にした 下町人情満載の 優しくてほっこりとした気持ちになる映画。

まず何よりも 笑福亭鶴瓶師匠のあの人懐っこい 笑顔で見せる お父ちゃんの役が素晴らしい 古き良き 零細企業の人情でいっぱい。
おそらくたくさん損をしてるだろうが、なぜか仕事が取ってくる鉄工所の社長というのが どこか懐かしさもあある。30年くらい前に「いたいた そんな社長」 のような、あるあるネタにも近い 社長像を見事に演じている。
山田洋次監督の作品「おとうと」や「母べえ」でも 鶴瓶師匠の演技の良さは すでに見せてもらっており ある種安定でありながらも 引き込まれる 演技の良さは何とも言えない 最高の一つとも言える

そして 娘役の江口のりこは やはり兵庫県出身ということもあって関西弁のノリとツッコミ。そして愛のある 悪口もナチュラルすぎる!!!
加えて演技も最高で、日常会話の中で行っている「アホか」といったた関西弁のツッコミがどストレートかつ照れ隠しの言葉の強さといったものに 江口のりこ の見事な演技力が加わっている。
彼女が毒づく言葉一つ一つが 言葉尻だけを捉えると前半は厳しいだけだったのに、中盤…からは厳しいにもかかわらず 照れ隠しであったり する部分が見え隠れしてくるところは、ほんとうに人情感がでてきていたのは素晴らしかった。

そしてもう一人の主人公。鶴瓶師匠 演じる竜太郎社長と結婚する20歳の女性役 中条あやみ である

むちゃくちゃ 演技が上手になってて、人生をプラスに捉え 前を向いて元気に振る舞ってる雰囲気がとてもよくできていた。
彼女も出身地が大阪ということもあって関西弁の使い方も絶妙 さすがと言うべき存在にまでなっており 彼女が女優として いろんな意味で 大きく 再注目されてもいいと思う。

映画を見ているうちに 凸凹の3人の家族が持っている、言葉に出さないのにそれぞれを思いやっている そんな雰囲気を 感じさせてくれるいい映画でした

会話のテンポがなによりもナチュラル
そして家族とは そもそも どういったものなのか?
結婚とはどういったことなのか?
といった家族のあり方というものについて 感じさせてもらったり 考えさせられる部分もあるし、家族団らんの大切さや食事を一緒に取ることが大切さもじんわりと教えてくれる、いい映画になっている

加えて関西で起きた1つの事柄を大きなターニング ポイントとなるというのはあるしベタな展開かもしれないが 実際に人生観が変わった人や 常に前を向いて上を向いていくことがどれだけ大切かということを感じた人を実際にお会いした自分からすれば非常に身につまされる部分があるものの とても心に響く 部分があったことも事実である

ラストに受けては大団円 で終わるものの そこに至るまでの流れも含めてできすぎなところもあるがそれを差し引いても十分楽しませてもらえる映画であり この映画の存在を知らない人は もったいないと思えるぐらいに 人情映画としてはうまくまとまった作品なので ぜひ 劇場で見ていただきたい 一本である

商売というものは 効率化 や 効率性といったもの 損得だけで済むものではなく 人と人のつながりである。昔はそれで成り立っていたが 近年はそれがないという部分を若干 匂わせたりする部分もあり、この部分は若い人には理解できない人が一定数でてくるかもしれない。
ただ、今でもそういった部分は地方の中小零細企業同士ではよくある話の一つで、それを現実的に感じてる立場からすると それも含めてこの映画はとても良さを感じる映画であった

ぜひ観てもらいたい!と思うおすすめの1本です

浜村淳さんが出ていたのも、個人的にはポイント
あの数少ないシーンながら出てきた瞬間に
「さてみなさん」
といってほしかった…

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