Salut d’amour / Elgar 愛の挨拶 エルガー Violin 篠崎史紀



愛の挨拶 エルガー

vn 篠﨑史紀 pf 田中美江
2012.03.28 楽興の時 終了ミニコンサートより
http://jpianist.com/education.html

4 comments
  1. 音楽とは一瞬に宇宙を、そうして真理を見る行為である。マロの、真実に生きる姿を見て、ぼくは改めてそう思った。

    YouTube で確認できる動画では、マロの演奏は有名な小品が多い。そのことがかえってぼくを音楽の本質に近づけた。

    それは何という音楽的な空間だったことだろう。テンポはルバートしているようでいて、実は一拍の幅が広いだけで、基本的にシビアと言っていいほどのきっちりしたインテンポだ。ふっとするルフトパウゼに至るアゴーギク、そのパウゼは決して音楽の流れを止めない。N響での演奏時は線が細いと思っていた音質が実は透明だったこと、それはこれらの動画でのたっぷりとした弓と楽器全体の鳴りを見聴きすればわかる。その音楽はスケールの大きな説得力を持つ。ピアノ伴奏も、驚くほど、しっかりと深いタッチ、音楽の把握力に、たくさんのドイツ音楽の素養を感じさせる。

    マロの音楽様式と形式のこなし方、捉え方は、優れて現在の問題を掴んだ芸術家のそれである。と、同時に、ひとりの人として、愛が迫ってくるのをぼくは感じた。

    だからこの曲でぼくは泣いてしまったのだ。

    ブログより

Leave a Reply