曲名:私はピアノ 歌手:高田みづえ 発売日:1980年7月25日(12枚目のシングル) レーベル:テイチクレコード/ユニオンレーベル 作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:松井忠重

1. 企画・制作エピソード

この曲は、国民的バンドであるサザンオールスターズが1980年3月21日に発表した3rdアルバム『タイニイ・バブルス』の収録曲だ。バンドのリーダー桑田佳祐が、妻でありキーボーディストの原由子に初めてメインボーカルを任せて生まれた曲である。発売からわずか4ヶ月後、アイドル出身の高田みづえがこの曲をカバーしてシングルとしてリリースすると、オリコン最高5位、実売70万枚を突破し、原曲を大きく上回る大ヒットとなった。前年の紅白落選で低迷していた高田は、この曲がヒットしなければ引退も考えていたという背水の陣で録音に臨み、結果としてこの一曲で完全復活を果たし、その年末には2年ぶりに紅白のステージに戻った。

2. 時代的・文化的背景

1980年代初頭の日本は、いわゆる「ニューミュージック」のアーティストたちが既存の歌謡曲歌手やアイドルに楽曲を提供し、大衆音楽の質的な融合をリードしていた時期だ。歌詞の中には実在のミュージシャンであるラリー・カールトンとビリー・ジョエルの名前がそのまま登場するが、これは当時の日本の若者たちが抱いていた欧米志向のポップス趣味をそのまま反映した部分といえる。喫茶店や深夜ラジオからAORや洗練された洋楽ポップスが絶えず流れていた時代、カーオーディオでドライブミックスを聴きながら夜の海辺を走っていた若者たちの感性が、この一曲に凝縮されている。

3. レコーディングエピソード

原作者の桑田は、原由子ならではの幼さの残る親しみやすい声を念頭に置いてメロディを書いたと言われている。一方、高田のカバーバージョンは、ハスキーな声質と大人びた別れの感情を生かすことに重点が置かれた。10代アイドルのイメージを脱し、大人の歌手として生まれ変わる必要があった彼女にとって、この曲はイメージチェンジの決定的な転機となった。

4. 音楽的分析

原曲のサザンバージョンはサンバに近いリズムが際立つ一方、高田バージョンはラテンの色合いを残しながらも、より情感のこもった正統派歌謡曲寄りのアレンジに仕上げられている。松井忠重の編曲は、バンドサウンドよりも華やかなストリングスと管楽器をふんだんに配置し、ドラマチックな展開を際立たせた。もの悲しいピアノの旋律が、曲全体のアイデンティティをはっきりと際立たせている。

5. 大衆音楽史的意義

この曲のヒットにより、高田みづえは「桑田佳祐楽曲の優れた解釈者」という評価を得た。1983年にはサザンの別の楽曲「そんなヒロシに騙されて」をカバーし、オリコン最高6位の再ヒットを記録している。人気絶頂期だった1985年2月、当時大関だった力士・若嶋津六夫との婚約を発表すると同時に芸能界からの引退を表明。6月の東京・大阪ファイナルコンサートをもって8年間の歌手生活に幕を下ろし、9月27日に結婚式を挙げた。

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43 comments
  1. 昭和の歌姫が帰って来た、まだこれからも艶のある歌声が聞こえるのかと楽しみでも仕方ない

  2. こんなに素晴らしい声が健在なのが嬉しいです
    まだまだ歌える🎉
    親方も喜んでいるとおもいます
    歌手という表舞台を捨てて、おかみさんの道を選んだ葛藤は少なからずあったはず
    愛が大きかったのですね

  3. 引退した時
    勿体無いなぁと思いました
    さらっと歌ってるのに…
    やっぱり♬上手いなぁ✨
    そして、この曲
    今聴いてもいい🎉

  4. きっぱりと芸能活動をやめておかみさん業を最後までやり切ったんじゃないかな 今まで歌声をとっておいてくれてありがとう これからも歌ってください

  5. この曲と夏をあきらめてだけだな…サザンのオリジナルよりもカバーの方が良いなと思ったのは。
    何て言うんだろ…曲の表現の仕方の違いとでも言えば良いのか…自身の語彙力の無さが恨めしい😅

  6. 私はピアノを初めて聴いたのは、サザンのアルバムだったので、原由子さんのが好きですが、高田みづえさんがカバーしてくれたお陰で、この名曲が世に広まってくれて、高田みづえさんには感謝してます

  7. だいぶ前に千代田線の中でご夫婦と遭遇したことがありました。親方でも電車で移動するんだとびっくりしましたが。その時も心の中で「あ、みづえちゃん」と呟いてました。相変わらず小柄でめちゃくちゃ可愛らしかったのを覚えています。若島津さんもカッコよかった🥰

  8. 22才の時にステージを観ました和歌山市の市民会館で私は今・69才に成りました。高田みづえさんは変わりませんね。日本国🇯🇵JAPAN

  9. エ〜😉
    これ今のみづえちゃんですか⁉️
    声もスタイルも全然変わらないですね😁
    そりゃあお年をめして居るのでお顔は少し目が窪んでいますが可愛さは同じですね😆

  10. 性格の良さが
    昔のままみたいな感じです
    相撲部屋での苦労も相まって
    素敵だと思います
    同世代なので
    これからも
    ご活躍楽しみに
    応援しています😊🎉😊

  11. 担任の先生の自慢は赴任する前に高田みづえの担任だった事でした。「みづえは…みづえが…」と何かにつけて教え子の自慢をしていました。とても優秀だったそうです。

  12. 先日、40ねん?ぶりとかで歌われちのを聴きました。彼女の曲って難しいし、その上声がバッチリ出ているのにびっくり!

  13. みづえちゃんイイですね。😆🎵🎵
    みづえちゃんあの時のまま😊
    歌番組でたくさん歌ってたね
    時が経っても変わらない美声
    凄いね☺
    これからも沢山聴かせて🎧‼️

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