2025年7月12日より、日本テレビ系で放送開始される話題の新ドラマ『放送局占拠』は、櫻井翔主演の「占拠シリーズ」第3弾として注目を集めている。過去作『大病院占拠』（2023年）と『新空港占拠』（2024年）に続く今作は、舞台を“放送局”に移し、再び緊迫感溢れる占拠事件に挑むサスペンス大作だ。
制作発表会見が川崎市の日本テレビ生田スタジオで開催され、主演の櫻井翔が登壇。役衣装のまま登場した櫻井の姿は、顔に傷を負い、衣装も汚れた状態。まるでドラマのワンシーンから飛び出したかのような出で立ちに、会場からは驚きと期待の入り混じった空気が広がった。
櫻井は「今回は1話からスリリングな展開になっている」と語り、視聴者に緊張感をもたらすスタートを予告。「まっさらな状態の共演者に比べて、自分だけボロボロの姿で登壇している」と笑いを誘いながら、作品の激しさと深みを表現した。
物語の主人公は、神奈川県警の捜査一課から警視庁の刑事部BCCT（Broadcast Crime Countermeasure Team）へ出向となった武蔵三郎。前作までと同様、彼は事件に巻き込まれ、再び命を賭けて真実を追い求める。今回、彼が立ち向かうのは、妖怪の面をかぶった武装集団「妖（あやかし）」。情報の中心地である放送局を占拠し、彼らが何を目的としているのか、誰が操っているのか……謎が謎を呼ぶ展開が予想されている。
会見では、櫻井が現場での裏話も披露。「今回の撮影は実際の放送局内で行われていて、僕がスポーツ番組で関わったスタッフとバッタリ会うこともある」と語り、「この傷だらけの衣装で挨拶しても“ばれちゃいけない”と思って、つい無視してしまいました（笑）」と笑顔を見せた。
シリーズ3作目となる本作は、初めての“夏ドラマ”として制作されており、櫻井は「この暑さの中、毎日天気予報を見ては『うそでしょ…』とつぶやいてます」と、過酷な撮影の様子を語った。それでも、プロ意識と作品への愛情が伝わる発言に、共演者やファンからは温かい拍手が送られた。
共演者として登壇したのは、比嘉愛未、瀧内公美、ソニン、お笑い芸人ぐんぴぃ（春とヒコーキ）、そして戸次重幸。それぞれが個性豊かなキャラクターを演じ、物語を複雑に彩る存在として活躍する。
比嘉は前作からの続投で、主人公・武蔵の理解者として、時に支え、時に鋭い指摘をする役柄。瀧内公美は、知的で芯のある女性刑事を演じ、冷静な分析と鋭い推理で物語を引き締める。ソニンはアクションにも挑戦し、身体を張った演技で緊張感を加速させる存在だ。
ぐんぴぃは、お笑い芸人ながら異色のキャスティングとして話題を呼び、シリアスな展開の中で独自の存在感を放つ。戸次重幸は経験豊富な俳優として物語に安定感と深みをもたらす役を担う。
本作の見どころは、仮面の集団「妖（あやかし）」による恐怖演出と、現代メディア社会に対する鋭い風刺だ。情報操作、フェイクニュース、放送倫理といった、今日的なテーマを背景に描くことで、単なるエンタメ作品にとどまらない奥深さがある。
櫻井は、今回の「妖」というテーマについて、「前作が“鬼”で、次は“干支”、だからもうネタ切れかなと思っていたけど、“妖”を聞いて『やられた！』って感じでした」と語り、制作陣の発想に脱帽した様子。「自分では“星座”とかも予想してたんだけど、“いて座”とかどうやって仮面にするの？って（笑）」と話し、会場を和ませた。
『放送局占拠』は、リアルタイムでの放送と共に、Huluなどの配信プラットフォームでも同時展開される予定。視聴者の反応がSNSを中心に加熱することも間違いなく、放送開始前から大きな話題を呼んでいる。
果たして、武蔵はこの謎に満ちた“妖”集団の正体を暴き、放送局を取り戻すことができるのか。そして、その背後に潜む“真実”とは何か。視聴者の目は、次第に情報と真実の狭間へと引き込まれていくだろう。
灼熱の夏にふさわしい、冷や汗もののサスペンス・アクションが今、幕を開ける。土曜夜9時、『放送局占拠』――見逃せない戦いが、テレビの向こうで始まる。
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