映画化されるのは、2012年に発表された湊かなえの小説「母性」。ある女子高校生の遺体が見つかったことに端を発した、「母と娘」を巡るミステリー小説だ。湊かなえは2007年に「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。2009年にはのちに映画化される「告白」が第6回本屋大賞を受賞、史上初のデビュー作でのノミネート・受賞となり同作は300万部を超える社会現象を起こし、「贖罪」、「望郷」、「豆の上で眠る」、「ユートピア」、「落日」など数々の作品を世に送りだしてきた。そんなベストセラー作家をして「これが書けたら、作家を辞めてもいい。そう思いながら書いた小説です」と言わしめるほどに心血を注いで上梓した物語が「母性」で、2021年現在で発行部数は90万部を超える湊の代表作の一つにも数えられる特別な作品でもある。
歴代の湊かなえ原作の映画化作品といえば豪華俳優陣が話題となったが、本作も映画化発表時から、物語の主役となる母と娘を誰が演じるのか大きな話題となっていた。母性を持てず、娘を愛せない母親のルミ子を演じるのは、いまや国民的女優としての地位を不動のものとした戸田恵梨香。クランクアップ時に「今までの役でずば抜けて難しかった」と語るように、娘を愛せない母親の複雑かつ危うい姿を熱演し、新境地で魅せる。母性を求め、母に愛されたい娘の清佳役には、人気と実力を兼ね備える若手女優の筆頭・永野芽郁。母に愛されない娘の揺れ動く感情を、繊細かつミステリアスに演じる。戸田と永野といえばドラマ「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」で先輩・後輩役として共演し息の合った掛け合いが話題となったが、本作では初の母娘役に挑戦する。
特報映像は、戸田恵梨香演じるルミ子の「愛能う限り、娘を大切に育ててきました。」という告白めいたセリフとともに、地面に横たわる女子高生の姿とネット上の高2女子死亡記事が映し出される不穏な雰囲気で幕を開ける。そして1つの事件が母(戸田恵梨香)と娘(永野芽郁)それぞれ2人の証言で語られていく。「何をすれば、母は愛してくれるのだろうか。」とつぶやく娘の清佳。交差する母と娘の視線。母と祖母(大地真央)に挟まれて歩いていたはずが、いつの間にか母が中心にいる映像に切り替わるように、語られる視点によって180度見えかたが逆転していく映像が見るものを惑わす。そして燃え盛る家から娘を背負いながら逃げる母の姿と泣き崩れる娘。最後には首にロープがかかった状態で横たわる娘に手を差し伸べ「愛してる」と囁きながら、怒りとも嘆きともとれる狂気の表情を浮かべる母の姿が。いったいこの母娘に何があったのか?事件はなぜ起きたのか?そしてタイトル「母性」が意味するものとは?
『母性』
2022年11月23日(水)より、全国ロードショー
監督:廣木隆一
エグゼクティブプロデューサー:関口大輔
原作:湊かなえ「母性」
出演:戸田恵梨香 永野芽郁 三浦誠己 中村ゆり 山下リオ 高畑淳子 大地真央
配給:ワーナー・ブラザース映画
【ストーリー】 女子高生が自宅の中庭で倒れているのが発見された。母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。母の手記と娘の回想が交錯し、浮かび上がる真相。これは事故か、それとも…。
©2022 映画「母性」製作委員会
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