高田みづえ　異国

一流の女流作詞家である「三浦徳子」氏のみづえナンバーへの参加は、竜真知子氏ほど目立つわけではないのですが、人気シングル曲「原宿メモリー」の作詩だけにとどまらず、実は重要度に於いて竜真知子氏以上のものがあります。「硝子坂」のB面で「もうひとつのデビュー曲」とも言える「DOMO DOMO」が三浦徳子氏の作詞家デビュー作（みうらよしこ名義）であるので、実に高田みづえさんと三浦徳子氏は「デビュー同期」と言えるわけです。S☆J的に三浦徳子作品の中ではこの「異国」の他、「さよなら今日は」（みうらよしこ名義）、「夢のお月さま」（月ソングの代表）、「燃える想い」（『プリズム』所収）などが好きですね。どれも珠玉のナンバーと言えると思います(^^)
そして「異国」の作曲者「渋谷祐子」氏は、「TOKYO DREAMING」の作曲者でもありますが、この人も根強い人気のあるフォーク・ニューミュージック系のシンガーソングライターのようですね。何年か前のS☆J動画の「TOKYO DREAMING」へのコメントの中に、「渋谷祐子」氏について結構熱っぽく言及されているコメントがあったのが非常に印象に残っています。渋谷祐子氏はフォークデュオとして1974年にデビューしていますが、ソロシンガーとしてのデビューがなんと1977年、みづえちゃんと「同期」ですね。実に「異国」は、1977年デビュー同期の3人がタッグを組んだ作品と言えるわけです(^^)/
「高田みづえナンバー」に参加している女性クリエイターは、「三浦徳子」氏、「竜真知子」氏といったメジャーどころから、「谷山浩子」氏、「涙のジルバ」の「松宮恭子」氏（榊原郁恵さんや堀ちえみさんといった女性アイドルの作品を多く手がけています）といった中堅どころ、そして「渋谷祐子」氏、「鏡の中」の「藤田久美子」氏（フジクミ姉さん）といったマニアックなところまで幅広い人選がされているのが特徴と言えると思います。それだけ「高田みづえ」という歌手は、多くの女性クリエイターたちの創作意欲を刺激するシンガーであったと言えるのではないでしょうか😅
ところで「異国」には、みづえナンバーの中でも印象的なアイテムである「アカシアの花」が登場します。「昨日までの（幸せだった時の）部屋の窓に映っていたアカシアの花が今は色褪せて散っている」と歌われていますね。幻の名曲「陽のあたる坂道」には「二十歳の頃に見たアカシアの花が…夏の嵐に散った」とあります。そして「アカシアの花が咲く頃」では、「アカシアの花が咲く頃…幸せになろうと言った」と歌われています。いずれも、今は失意の中にいる主人公が、幸せだった頃の情景を思い浮かべる時に、その情景の象徴としてアカシアの花が登場しているという共通点があります。「アカシア」の花言葉はズバリ「愛情」だそうですが、主人公が求める（求めているけど手にすることができない）「愛」の象徴として「アカシア」という花が存在していると見ることができると思っています(;^ω^)