1989年にイギリス最高の文学賞であるブッカー賞、2017 年にノーベル文学賞を受賞し、二つの世紀を代表する小説家となったカズオ・イシグロの長編デビュー作「遠い山なみの光」を、『ある男』(2022)で第46回日本アカデミー賞最優秀作品賞含む最多8部門受賞を果たした石川慶監督が映画化した『遠い山なみの光』が9月5日にTOHOシネマズ日比谷 他 全国ロードショー。
この度解禁となった本編映像は、戦後間もない長崎で悦子と佐知子が初めて顔をあわせる印象的な出会いのシーン。冒頭、悦子は佐知子の幼い娘・万里子を追いかけ、佐知子たちが住む河岸のバラック小屋へ。家の外で洗濯をしていた佐知子と初めて出会う。普段あまり人が寄りつくことはないであろう古びた家の前まで来た悦子を怪訝そうな目で見る佐知子に対し、悦子は「はじめまして。この子、そこの橋で喧嘩しとったみたい。大勢の男の子たち相手によ」と先程あった出来事を説明する。だが、佐知子は「あなた、子どもの喧嘩見たことないの?」と長崎弁ではない話し方で切り返し、冷めた態度で洗濯物を続ける。悦子は「でも例の物騒か事件もあることですし、気をつけたほうが……」と巷を騒がせている陰惨な幼児絞殺事件のことを引き合いに出して畳みかけるが、「それはどうも」とまるで他人事のような素っ気ない返事をする佐知子。そんな佐知子に戸惑いながらもしばしの会話を続け、悦子が帰ろうとしたとき、佐知子は振り向きざまに「あなたどこの人?」と問いかける。悦子が「私そこの団地に住んどります、緒方悦子と申します」と軽く微笑み答えると、佐知子は「悦子さん、お茶でもどう?ちょっと上がってきなさいよ」と口に笑みを浮かべながら悦子を家に招き入れようとするのだった。不穏さを交えながら、少し驚き不安げな様子の悦子の表情がアップで映し出される。果たしてこの二人はここからどう繋がっていくのか……? 物語の行方、そして福間美由紀プロデューサー曰く「間違いなく異次元の反応が起きるだろうと全員が期待していた。撮影中も二人のツーショットの画の強さは圧巻だった」という初共演の広瀬すずと二階堂ふみの二大俳優の豪華競演にも期待がかかる貴重な本編映像となっている。
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メイプルみのある色に染まってきたじゃないの
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