@落語 #橋本環奈#見取り図#ヒコロヒー「最低視聴率問答」「七味の女」
「最低視聴率問答」
いやね、テレビってのは不思議なもんでね、見てる人がいないのに、誰かのせいで視聴率が下がったって話になる。で、その「誰か」が人気者だったりするから、ますます訳がわかんない。
このたびの主役は、天下の橋本環奈ちゃんだ。千年に一人の美少女だってぇ。千年に一人どころか、最近ゃ毎年出てくんじゃねぇか?
――「一億総アイドル時代」ってのがあるなら、こちとら「一億総ガッカリ時代」だよ。
で、話を戻すと、この橋本環奈ちゃんが、来年1月からのフジの月9ドラマ、主役に内定だってさ。なんでも今度は「元ヤンキーのドクター」なんだって。
あたしゃ思わず、「ヤンキーからドクター?そりゃあ随分と出世したなぁ」と思ったよ。昔はガン飛ばしてたのが、今じゃレントゲン飛ばすんだから、進化にもほどがある。
でもね、脚本がまた、『おむすび』の根本ノンジ先生。あのギャルが栄養士になる朝ドラよ。あれも「ヒロイン出てこない朝ドラ」とか言われちゃって、後半は観客も「これ何の番組だ?」って混乱してた。
視聴率?13.1%。これが歴代最低。まるで株価のチャートみたいだ。「千年に一人の美少女が、100年に一度の大滑り」とくりゃ、こりゃもうギネスに載せたほうがいいんじゃねぇか?
で、今回の月9でも、またも「最低視聴率になるんじゃないか」って騒がれてんのよ。何が可哀想って、まだ放送してねぇんだぞ?
これがネットってやつの恐ろしさ。ドラマの第一話よりも、予想炎上の火種の方が早く放送されちまうんだ。
いやいや、演技力云々より、「ギャル」とか「ヤンキー」とか、「こじらせ変身ヒロイン」ばっか演じさせてんだもん。もう次は「元極道の小学校教師」でもやりゃいいんじゃねぇか?
――「お前ら、給食は全部喰えよ? 残すヤツには“カチコミ”だからな」
そんくらいやったら逆に話題になって、視聴率上がるかもしれねぇ。
で、こうなるとテレビ局側もね、「環奈ちゃんを主演にしときゃ話題になるだろう」って思ってんのよ。そういう雑な企画のツケが回って、いざ視聴率が下がったら、「やっぱり橋本環奈では無理だったか」って、おいおい!勝手に押し付けておいて、それはねぇだろ。
今のドラマ制作ってのは、料理で言やあ、まず「誰が盛り付けるか」が決まってんの。誰が主演か、誰が書くか、誰が話題性あるか。でも「何が出てくるか」は後回し。
――ラーメン出すのか、チャーハン出すのか、それすら決まってねぇのに、まず「金箔だけ乗せとけ」ってやつよ。
それで「うちは金箔ラーメンです!」って売り出す。肝心のスープがぬるくても、麺がのびてても、「金箔ついてるんだから文句言うな」ってことだ。
だけど視聴者はグルメよ。口が肥えてんの。しかも最近の連中は、「テレビで面白くても、Twitterで叩く」って二段構えだ。
――あれだな、テレビで拍手して、スマホで石を投げる。
で、「月9最低視聴率」なんて記事が出ると、みんな自分が視聴率計にでもなったつもりで、「やっぱ環奈は数字持ってないわー」とか言う。お前、見てもいねぇくせによォ!
あげく、週刊誌が得意げに書く。「前作の朝ドラはヒロインが途中から出てこなかった」。そりゃスケジュールの問題もあるだろうよ。
だけど視聴率のせいにされちまって、環奈ちゃん、もう半分“朝ドラの戦犯”扱いだ。
こんな世の中、やってらんねぇ。こちとら、視聴率なんかじゃ人間測れねぇと思ってるんだ。ましてや、テレビの価値なんて数字で決められるかよ。
テレビだって落語だって、最初のウケが悪いことだってある。でもそこに、ちゃんと“人間”が映ってりゃ、そのうち客もわかるんだ。
――だけど今のテレビには、人間がいねぇ。いるのは、芸能事務所と、スポンサーと、SNSの炎上担当だけよ。
ま、橋本環奈ちゃんにはね、負けずにガン飛ばしてってほしいね。元ヤンキー役だろ?だったら視聴率なんざにビビってんじゃねぇ。
――「数字が低い?あたしの目を見て言ってみな!」
……いや、怖ぇなこりゃ。
おあとがよろしいようで
2幕目
「七味の女」
あたしゃこの歳になっても、酒を飲むってぇのは何か人生の稽古みてぇなもんだと思ってるんですよ。ええ。酔うだけだったらね、ウイスキーだろうが除光液だろうがいいんですけども(除光液はいけませんよ)、大事なのは「誰と、どう飲むか」なんですな。
で、今日はね、「カッケェ女」の話をひとつ。
――芸人のヒコロヒー、あの女もなかなかクセがすげぇ。あれは芸人というよりね、飲んだくれがマイク持ってるだけなんじゃないかと思うくらい、酒が似合う女でしてね。で、そのヒコロヒーがあるとき、島崎和歌子と飲みに行ったって話なんですよ。
まぁ和歌子さんってぇのは昔からね、「芸能界の酒精霊(しゅせいれい)」なんて言われてるくらいで、あの人が現れると焼酎が湧くって伝説があるくらい。
で、その日は2人っきりでね、ちょっと飲もうかって入った居酒屋。最初は焼酎にちょっと刺し身でも頼んで…なんてやってたら、気づけば10時間ですよ。10時間! 飲みっぱなし!
これはもう、アレですな。飲み会じゃない。修行です。仏道。しかもツマミがだんだん減っていって、最後は“塩”。
――塩をアテに酒を飲むってのも、まぁ通なもんですが、こっからがすごい。
ヒコロヒーが店に気ぃつかって、「そろそろ何か追加しますか?」と聞いたら、和歌子さんは「そうね…七味があればいいかな」って言ったんだと。
…七味?
おい、七味ってのはあんた、うどんの上にかけるもんだろ? それをアテに酒を飲むってぇのは、もうこれは人間やめたか仏になったかだよ。
普通はさ、飲みながら「この枝豆、ちょっと冷えてて旨いねぇ」とか、「このチーズ合うわ~」なんて言うのが会話でしょ? ところが七味なんて言われたら、店の大将も困るよ。
「すいません…七味だけってのは…料理と一緒に…」「いや、七味だけを…」「お客さん、それ薬味ですから…」なんて押し問答になる。
でも、和歌子さんクラスになるとね、七味が主役なんですよ。もう“料理の添え物”だった七味が、突然センターで「オレがアテだ!」って仁王立ち。
――つまり、あれですよ。ツマミすらいらねぇ。もはや「酒が本体で人間がついで」みてぇな存在。
で、ヒコロヒーが言うには、その姿が「カッケェ」んだと。
いや、かっけぇか?
これ、冷静に考えるとですよ。昭和の親父がベロンベロンになって「アテなんかいらんのじゃい!」って暴れてたら、完全に「老害」って言われますよ? けど、女優が「七味でええかな」って言うと「うわ〜カッケェ!」ってなる。
…これはね、いまの時代の“酒格差”ってやつですよ。
昔の酔っ払いはね、酔えば“迷惑”。でも今は、“味のある人”。
どうなってんだこの国は。泥酔してもSNSに写真が上がらなきゃセーフ、なんて言う時代だ。
で、その話をヒコロヒーが番組でしてたんですよ。「見取り図じゃん」とかいう番組でね。カッコいい話を語る回だそうで。
そしたら、リンダカラー∞のDenって芸人が、「僕、ヒコロヒーさんの“カッケェ話”もあるんですよ」と言い出した。
あたしゃここで「来たな」と思ったよ。
「僕が悩んでるときに、ヒコロヒーさんが『ええねん、そんなもん。酒飲み行こ』って言ってくれて…」なんて泣かせる話でも始まるのかと思いきや、本人が「いい、いい、ええから…」って全力で照れ隠し。
これがまたカッケェって言われるんだから、もうわからん。
昔ならこういうのは“粋”って言ったもんだが、今は“カッケェ”ですよ。言葉の軽さに時代が出てる。
昭和の粋 → 平成のイケてる → 令和のカッケェ。
でも、何が時代変わっても、酒の席ってのは人間が出ますな。
――ツマミなんてどうでもいい。肴は“人”なんですよ。
結局ね、カッコよさってのは、カッコつけないところにあるんですな。アテが七味? それがどうした。酒があればいい。会話があればいい。
でもまぁ…あたしゃ個人的に言わせてもらいますとね、
七味だけじゃなくて、せめてチーカマくらいは欲しい。
ごちそうさまでした。
4 comments
ダウンタウンDXの後釜になったミトリズも低迷☝️
地上波番組なくなるのかな😅
僕はNetflixやU-NEXT見てますね🎵
#落語 #橋本環奈#見取り図#ヒコロヒー「最低視聴率問答」「七味の女」
面白いです。😂😂😂
暑中お見舞い申し上げます。
朝から暑いですね。
ほっと一息、現実逃避。
テレビは見なくなりましたね。
暑さに負けず、今日やるべきことを消化していきます。
リフレッシュタイムをありがとうございました👍
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