世界に届け!山田裕貴が伝えたい心の戦争の記憶



俳優・山田裕貴が映画木の上の軍隊の外国特派員協会記者会見に登壇。黒のスーツ姿で緊張の面持ちを見せつつも、英語で流ちょうにあいさつし、記者たちの注目を集めた。彼が演じるのは、戦時下の沖縄・伊江島で終戦を知らず木の上で2年間を過ごした実在の兵士。よりリアルに役を表現するため、自ら過酷な環境に身を置き、虫嫌いでありながらウジ虫を食べるなど徹底した役づくりを実践した。

山田は空腹が極まれば甘味すら感じると語り、極限状態の中で兵士たちが抱いた感情を五感で理解しようとした。また、SNS上の誹謗中傷を引き合いに今はもう平和とは言えないと現代社会の危うさにも言及し、作品が単なる戦争映画ではなく“心の問題”を描いたものであり、年齢や国籍を問わず子供たちにも届いてほしいと強調。

映画は、1945年の沖縄・伊江島での実話を元に、こまつ座の舞台を原作として制作され、現在沖縄で先行公開中。25日から全国公開予定。山田は記者会見の最後にこの映画が世界の子供たちの心に小さくても確かな火を灯すことを願っていますと語り、会場は温かな拍手に包まれた。