「特捜9」終了でテレ朝が悩む「刑事ドラマ枠」の今後 「相葉くん」で新作決定も、「相棒」はキャスト高齢化東山、井ノ原の後に相葉
「ジャニー喜多川氏による性加害が社会問題化した23年、4月期は『特捜9』が放送されましたが全9話と、これまでよりも少なく5月31日までの放送となりました。続く『刑事7人』も6月7日から8月9日までの全9話の放送で、事実上これをもってシリーズは終了。テレ朝は当時、編成改革として途切れ目のない“シームレス放送”と言っていたのですが、今にして思えば、9月に芸能活動を終了してジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)の社長になる東山から相談を受けていたのかもしれません。その後、この枠でシームレス放送が行われたことはありませんから」
この年の8月16日から10月4日までは、前年は火曜夜9時に放送されていた沢口靖子(60)の「科捜研の女」season23で埋められ、10月からはいつも通り「相棒」が放送された。
「そして昨年は『特捜9』と『科捜研』、そして『相棒』の3番組になったのですが、そもそも『科捜研の女』の主役・マリコ(沢口靖子)は警察官ではないので、厳密には刑事ドラマではないわけです」
刑事ドラマ枠の原則が崩れていたのだ。
「今年の7月期はどうするのかと思っていましたが、ようやくテレ朝が発表しました。7月9日スタートの新番組『大追跡〜警視庁SSBC強行犯係〜』で、主演は嵐の相葉雅紀(42)です」
東山、井ノ原が抜けた後に相葉か……。
ゴールデンドラマ3枠の危機
「水曜9時枠は刑事ドラマ枠であると同時に旧ジャニーズ枠の役割も担っているのかもしれません。ともあれ7月枠は相葉の新番組で埋まりましたが、来年4月期の『特捜9』の後番組はまだ埋まっていません。さらに『相棒』の平均視聴率は10・5%と、かつてほどの勢いはなくなりましたし、いつまで続けられるかも分かりません」
デイリー新潮は21年10月13日配信の「相棒Season20『水谷豊』『反町隆史』は永久相棒の可能性 問題は杉下右京の年齢か」で、水谷演じる杉下右京が少なく見積もっても22年には定年を迎えることを報じていた。右京さんはとっくに定年を超えているのだ。
「それだけではありません。テレ朝には水曜9時枠以外に火曜夜9時、木曜夜9時にもゴールデン帯のドラマ枠があり、これらが高視聴率を上げてきたからこそ夜10時からの『報道ステーション』の高視聴率にもつながって、年間と年度の視聴率三冠王を獲得したのです」
この2つのドラマ枠も不安定という。
「火曜夜9時枠の低視聴率も問題です。24日に最終回を迎えた『天久鷹央の推理カルテ』の主演はNHKの朝ドラ『おむすび』から連投となった橋本環奈(26)で、朝ドラ同様、低視聴率が続き、17日の視聴率は4・3%にまで落ちました。昨年7月期の『南くんが恋人!?』は平均3・8%、10月期の『民王』も3・8%でした。今年1月期には深夜枠で好評だった松岡昌宏(48)の『家政夫のミタゾノ』第7シリーズを持ってきたものの5%台をウロウロするようになり、視聴率は発表されなくなりました。残る木曜夜9時は、岡田将生(35)と中井貴一(63)の『ザ・トラベルナース』や木村拓哉(52)を起用した『Believe―君にかける橋―』などが頑張っていますが、第4シリーズまで放送された天海祐希(57)の『緊急取調室』は映画まで撮影されたものの、市川猿之助の事件の影響で公開が延期に。昨年6月に“再始動のお知らせ”が出たまま宙ぶらりんの状態が続いています」
三冠王を誇るテレ朝だが……。
「株価を見ると、どん底のフジテレビやテレビ東京よりも低いのがテレ朝なんです。ドラマ枠問題を解決しなければ、テレ朝の未来は決して明るいとは言えません」井ノ原快彦(49)が主演を務めたドラマシリーズ「特捜9」(テレビ朝日)が、6月18日に最終回を迎えた。2006年にスタートした渡瀬恒彦(1944〜2017)が主演の前シリーズ「警視庁捜査一課9係」から数えて全20シーズンという節目でもあった。そこで注目されているのが、同じ水曜夜9時にテレ朝で放送されている「相棒」の“相棒”だという。
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テレ朝の水曜夜9時といえば、「相棒」はじめ1年を通して刑事ドラマを放送しているドラマ枠だ。民放プロデューサーは言う。
「今シーズン限りで終了した『特捜9』はかつては二桁の平均視聴率が当たり前でしたが、ジャニーズ問題が起こった23年を境に一桁となっていました。昨年の平均は8・1%、今期は8・1%、最終回は7・8%と、酷くはないけれど寂しい終わり方となりました(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)」
水曜9時の刑事ドラマ枠の歴史は古い。
「別名“相棒枠”“東映枠”とも言われ、1987年4月から40年近く一貫して東映制作の刑事ドラマ
を放送しています。88年4月に藤田まことさん(1933〜2010)の『はぐれ刑事純情派』、同年10月に宇津井健さん(1931〜2014)の『さすらい刑事旅情編』がスタート。95年3月に宇津井さんの『さすらい刑事』が終了すると、96年10月から柴田恭兵さん(73)の『はみだし刑事情熱系』がスタートし、藤田さんの『はぐれ刑事』と2クール(半年)ずつ放送される時代が続きました」
水谷豊(72)の「相棒」(当初は「相棒・警視庁ふたりだけの特命係」)は2002年10月にスタートした。
「当初1クールだった『相棒』ですが、翌年10月のseason2から2クールで放送されるようになりました」
以後「相棒」は毎年10〜3月に放送されるようになるのだが、ここから「相棒」の“相棒”探しが始まる。
渡瀬から井ノ原に引き継がれるも
「2004年6月に柴田さんの『はみだし刑事』がPart8で終了し、05年6月には藤田さんの『はぐれ刑事』も第18シリーズで終了。06年4月に渡瀬さんの『9係』がスタートしたことで、『相棒』と合わせて3クールは埋まったものの、もう1クールがなかなか埋まりませんでした」
柴田恭兵の「刑事部屋〜六本木おかしな捜査班」(05年)、木村佳乃(49)と舘ひろし(75)の「PS―羅生門―警視庁東都署」(06年)、内野聖陽(56)の「ゴンゾウ 伝説の刑事」(08年)、観月ありさ(48)の「Answer〜警視庁検証捜査官」(12年)、小澤征悦(51)の「TEAM―警視庁特別犯罪捜査本部」(14年)……いずれも1クールのみで続編が作られることはなかった。
「15年7月に東山紀之(58)の『刑事7人』がスタートし、ようやく4月期は『9係』、7月期は『刑事7人』、10月期からの2クールは『相棒』という3番組が水曜夜9時に定着しました」
渡瀬が17年に亡くなったことで「9係」は終了したが、井ノ原が主役に昇格し「特捜9」として3つの刑事ドラマのリレーは継続した。ところが、水曜夜9時枠をジャニーズ問題が襲った。#viral #viralvideo #trending #news #kpop