『蛇にピアス』金原ひとみ、17年ぶりに自著が映画化 松居大悟監督&杉咲花主演『ミーツ・ザ・ワールド』超特報【2025年10月24日公開】



芥川賞作家・金原ひとみによる同名小説を、松居大悟監督、杉咲花主演で映画化した『ミーツ・ザ・ワールド』が、10月24日に劇場公開されることが発表された。

 歌舞伎町を舞台に、擬人化焼肉漫画「ミート・イズ・マイン」をこよなく愛するも、自分のことは好きになれない27歳の主人公の新たな世界の出会いを描き、現代版”不思議の国のアリス“と称される作品。杉咲は、二次元の推しカプを愛する自己肯定感が低い主人公・由嘉里を演じる。

 原作者の金原にとっては、第130回芥川賞を受賞したデビュー作『蛇にピアス』以来、17年ぶりの自著の映画化。

 「エンドロールで自分の名前が流れてきたのを見て、そうか自分が書いたんだ、とびっくりするほどのめり込んで観ました。それぞれに思いを託し、言葉で編み上げたキャラクターたち、行き場のない思いを拾い集めて紡いだストーリー、祈りを込めたラストシーンが、松居さんの斬新な演出と、素晴らしいキャストによって新たな作品に昇華していました」と、映画化を絶賛。「同じ世界に生きられない人を愛してしまった全ての人に、この物語が届きますように」と願いを込めた。

 映画『くれなずめ』『ちょっと思い出しただけ』など、これまで青春という一瞬の輝きを描いてきた松居監督は、「今回初めて、『生きること』についての映画に挑みたいと思いました」と新境地を拓く。撮影は本作の舞台である歌舞伎町で敢行。

 「この物語の主人公である会社員の由嘉里は、大好きな擬人化焼肉漫画で、推しのマイナーキャラをカップリングして妄想することが心の支えで。映画を作る中で唯一確かだったのは、誰かや何かを、推す、眩しさです。信じる気持ちは眩しくて、狂気を孕んでいて、狭いからこそ光は眩しい。由嘉里を演じる杉咲花さんと、長い時間をかけて魂を込めて、この作品に挑みました」と制作への思いを語った。

 由嘉里を演じる杉咲は、脚本段階から携わり、自分のことは好きになれず、仕事と趣味だけで生きていくことへの不安と焦りを感じる等身大の主人公の姿を体現。「自分も誰かにとっての他者。そこに引かれた線のただただ寂しいとき、この映画を利用してほしいです。孤独をむしゃむしゃ噛み砕くふつつかな心意気が、疲れてしまった誰かの血肉になってくれたらと心を込めました」と熱い思いを語っている。

 超特報も解禁。不安そうな表情の由嘉里が歌舞伎町に導かれるように足を踏み入れるカットからはじまり、その街の息遣いが聞こえてくるような映像が映し出される。由嘉里が推すキャラクターの笑い声と「新しい世界に連れてってあげるからさ」というナレーションから、由嘉里にとってこれまで無縁だった歌舞伎町という未知の世界でどのような出会いがあるのか、気になるところだ。

監督:松居大悟 
原作:金原ひとみ『ミーツ・ザ・ワールド』(集英社文庫 刊)
配給:クロックワークス
©金原ひとみ/集英社・映画「ミーツ・ザ・ワールド」製作委員会

公式HP:mtwmovie.com
公式X :@mtwmovie

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