『伽草子』(おとぎぞうし)は、1973年6月に吉田拓郎(当時はよしだたくろう)がリリースした4枚目のオリジナル・スタジオ・アルバムである。また同名タイトル曲も収録している。
解説
拓郎が女子大生に暴行を加えた容疑で逮捕された「金沢事件」の影響で発売が危ぶまれたが、6月1日に無事発売。アルバム発売の時は勾留中で、翌日に釈放されている。なお、事件は女子大生の狂言であった。
このアルバム発売の翌々日かつ保釈の翌日、早くも神田共立講堂のステージに立っていると記録にあるが、このとき「春の風が吹いていたら」を当時の妻である四角佳子と歌っている。翌1974年11月12日に放送された『ミュージックフェア』(フジテレビ)では、当楽曲を南沙織ともデュエットした。南とは「伽草子」もデュエットした他、南を挟んでよしだ・かまやつとで「シンシア」を歌っている。
1986年にCD化された。1990年のCD選書のほか、2006年にも再リリースされている。
収録曲
作詞:岡本おさみ(特記以外)作曲:吉田拓郎(特記以外)
1 からっ風のブルース
2 伽草子
作詞:白石ありす
3 蒼い夏
・1999年に映画『学校の怪談4』の挿入歌としてシングルカットされた。
4 風邪
作詞:吉田拓郎
・南沙織が同年暮れのリサイタルで、自身の持ち歌以外にレパートリーに加えて歌唱した。
5 長い雨の後に
作詞:吉田拓郎
・拓郎自身によるピアノの弾き語り。拓郎の楽曲では珍しく長いモノローグが挿入されている。
6 春の風が吹いていたら
作詞・作曲:伊庭啓子
・当時の妻である四角佳子とデュエットしている。
7 暑中見舞い
8 ビートルズが教えてくれた
・同年にザ・バッド・ボーイズ(オフコースの清水仁が在籍したバンド)がカバー。
9 制服
10 話してはいけない
11 夕立ち
12 新しい朝(あした)
作詞:吉田拓郎
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